皆さんのキッチンでは、油は主に何を使っていますか?
キッチンを見渡せば、きっと大きな容器の【サラダ油】がドーンと鎮座しているのではないでしょうか?
私も子供の頃からサラダ油に慣れ親しんできました。
「サラダ油って名前だし、健康に良いのでは?」
と思われがちですが、実はそうではありません。
今回はサラダ油について解説しました。
【サラダ油】は健康にいい油?
安くて使いやすいサラダ油。
冷やしても白濁したり、固まったりしません。
そのためドレッシングとしても使えますし、揚げ物・炒め物など幅広く使えます。
しかしこのサラダ油を気軽に使い続けても問題はないのでしょうか?
サラダ油ってどんな油?
サラダ油はサラダ(野菜)を絞って作られたわけではありません。
サラダ油の原料は日本農林規格(JAS)で決められている9種類の植物です。
サラダ油の原料
・アブラナ(菜種)
・綿実
・大豆
・ごま
・サフラワー(紅花)
・ひまわり
・とうもろこし
・米(米ぬか)
・落花生
・グレープシードオイル
サラダ油は日本オリジナルの油で、1924年に日清オイリオが発売した「日清サラダ油」がその始まりです。
欧米のように生野菜にドレッシングをかけて食べる習慣のなかった当時の日本で、サラダにあう油として開発されたのが、「サラダ油」という名前の由来です。
それまでの食用油は、揚げ物や炒め物に使われることがほとんどでした。
この食用油をさらに精製して、冷えても濁ったり固まらない良質の油がサラダ油です。
ちなみにお菓子の「サラダ味」も「生野菜のサラダの味」ではなく、
「サラダ油に塩を加えた味」という意味だそうですよ。
サラダ油の成分
サラダ油に含まれる脂肪酸
サラダ油は栄養学的に「脂質」に分類されます。
脂質は含まれている脂肪酸の種類によってその性質が決まります。
サラダ油に含まれている脂肪酸は、オメガ6系脂肪酸(リノール酸)が圧倒的に多く、オメガ3系脂肪酸(リノレン酸)は極めて少ないです。
同じサラダ油でも、下の表のように成分は様々です。
しかし、いずれもオメガ6系、オメガ9系脂肪酸が半分近くを占め、オメガ3系脂肪酸は10%未満です。
αリノレン酸 (オメガ3) | リノール酸 (オメガ6) | オレイン酸 (オメガ9) | 飽和脂肪酸 | その他 | ||
紅花油 | 1 | 12 | 79 | 7 | 1 | |
菜種油 | 9 | 19 | 64 | 6 | 2 | |
米油 | 1 | 35 | 43 | 19 | 2 | |
グレープシード オイル | 1 | 63 | 16 | 10 | 10 | |
コーン油 | 1 | 51 | 30 | 15 | 3 | |
綿実油 | 1 | 54 | 20 | 23 | 2 | |
大豆油 | 7 | 50 | 25 | 15 | 3 |
油脂についてはこちらの記事も参考にしてください↓↓↓
植物性油脂はヘルシー!と謳われた時代
40代以降の方は、「植物性の油はコレステロールを下げて健康的。動物性の油はコレステロールを上げて、心臓病などの原因になる!植物性の油を摂ろう!」
という刷り込みのあった時代を生きているはずです。
私自身もそのイメージをずっと持っていました。
小学生の時の給食には当たり前のように植物性油脂のマーガリンが毎日のように出ていました。
動物性のバターより、植物性のマーガリンの方が体に良いと本気で思っていたことを覚えています。
植物性油の中でも、「リノール酸」は体に良いと思い込んでいました。
しかし、近年はリノール酸のコレステロール低下作用は短期的なものであることや、長期的なリノール酸摂取によって、生活習慣病の原因になるという報告も出てきています。
「植物性の油は健康に良い!」というイメージを持っている方は、とにかく植物性油をとれば良い!という意識改革をしていきましょう。(もちろん植物性油脂も摂る必要がありますが、過剰摂取に注意)
脂肪酸のバランス
オメガ6系脂肪酸・オメガ3系脂肪酸については、簡単に言うとオメガ6系脂肪酸は細胞膜を硬くし、オメガ3系脂肪酸は細胞膜を柔らかくします。
つまり、オメガ6系脂肪酸は摂りすぎると、心臓病や糖尿病のような生活習慣病のリスクを高めます。
もちろんオメガ6系脂肪酸もオメガ3系脂肪酸も、私たちの細胞や組織を作る上でもエネルギーを得るためにも摂らなければなりません。
しかし両者を摂る量のバランスが問題です。
日本人にとって理想的な脂肪酸の摂取バランスは、
オメガ3系脂肪酸:オメガ6系脂肪酸=1:2〜4 です。
オメガ6系脂肪酸であるリノール酸は
お肌のキメを整えたり、肌の弾力をキープするたのに必要な
セラミド(角質間脂質)の原料になります。
体の中で自分で作ることができない脂肪酸(必須脂肪酸)であるため、
食物から摂る必要があります。
摂りすぎになりやすいオメガ6系脂肪酸
サラダ油を日常使う食用油としていると、オメガ6系脂肪酸の摂取過多になりがちです。
というのも、オメガ6系脂肪酸はたくさんの食品に含まれているため、気づかずに摂っている場合が多いのです。
特に、外食・惣菜・加工食品にはオメガ6系脂肪酸を多く含んでいます。
手作りの料理と違って、工場などで大量に作られる食品に使われる油は、安価な植物性油(オメガ6系脂肪酸を多く含む)が多いので要注意です。
上の図のように、知らず知らずのうちに普段の食事でオメガ6系脂肪酸をたくさん摂ってしまっているので、自宅で料理する時はオメガ3系脂肪酸を多く含むサラダ油以外の油をチョイスしましょう。
また、1日に必要な脂質量は
- 成人男性・・・・53〜93g
- 成人女性・・・・44〜80g
です。
上の図と合わせて見てみると、思った以上に脂質を摂りすぎていることに気づきますね(^_^;)
女性の場合はカルボナーラとポテチでオーバーしてしまいます。
油バランスを崩すとリスクが高まる病気
これまで説明したように、サラダ油はじめ植物性油にはオメガ6系脂肪酸が多く含まれています。
オメガ6系脂肪酸を過剰摂取することで、脂肪酸摂取のバランスが崩れ、健康に悪い影響を及ぼすと言われています。
具体的には、三大生活習慣病(がん・心疾患・脳血管疾患)の発症に、脂肪酸の摂取バランス崩壊が大きく関係していると言われています。
日本人にとって理想的な脂肪酸バランスは、
オメガ3系脂肪酸:オメガ6系脂肪酸=1:2〜4ですが、
実際には、
オメガ6系脂肪酸の摂取量が圧倒的に多く、その比率は1:20程度です。
食習慣の欧米化、外食・コンビニ食の増加が原因となっています。
結局どんな油を使えばいいの?
オメガ6系脂肪酸を含む脂質は、加工食品・外食・コンビニ・冷凍食品などで意識せずに摂っているので、積極的に摂るべき脂質はやはりオメガ3系脂肪酸を含む脂質です。
結論としては、日常的に使う油としてはサラダ油は避けたほうが良いでしょう。
ドレッシングのように生の状態で摂る時はオメガ3系脂肪酸を多く含むエゴマ油がオススメです。
炒め物など加熱調理をする場合はオメガ9系脂肪酸を多く含むオリーブオイルを使うと良いでしょう。
私のおすすめなエゴマ油の食べ方は、「納豆にエゴマ油をかけて混ぜる」です!
以前、「納豆にごま油をかけて食べると美味しい」と、高級なごま油をいただきまして、納豆にかけて食べていました。(美味しいです)
ごま油よりエゴマ油の方がオメガ3系脂肪酸を多く摂れるのでおすすめです。
エゴマ油はあまりクセがないので、納豆の味を損なうことなく食べられますよ!
まとめ
・サラダ油はJASで定められた9種類の原料から作られた精製植物油。
・サラダ油は冷えても固まったり白濁せず使いやすい植物性油で、オメガ6系脂肪酸のリノール酸を多く含む。
・リノール酸は以前はコレステロール値を下げてヘルシーと言われていたが、現在ではその効果は短期的で、長期的に多量に摂取することで血圧が上がったり、動脈硬化や生活習慣病の危険があるとの報告されている。
・オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸の理想的な摂取バランスは1:2〜4。
実際は1:20程度。オメガ6系脂肪酸を取りすぎの傾向にある。
・オメガ6系脂肪酸は現代の食生活では無意識に多量に摂っているので、オメガ6系脂肪酸のサラダ油を日常の食用油として積極的に使うことはオススメしない。
・サラダ油の代用としては、生であればオメガ3系のエゴマ油、加熱用であればオリーブオイルがオススメ。
最後まで読んでくださりありがとうございます。
サラダ油はコスパも良く、使いやすいですよね。
私も子供の頃から、油といえばサラダ油でした。
一人暮らしを始めてからはできるだけごま油を使うようになりましたが、
ごま油よりオメガ9系が多いオリーブオイルを積極的に使おうと思います。
ドレッシングにはエゴマ油ですね!
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